この年代での開業は、ある程度の社会経験を活かしつつ、まだ十分に新しいことに挑戦できる時期であるため、成功の可能性は十分にあります。
しかし、成功のためには綿密な準備と戦略が不可欠です。
以下に、検討すべき重要なポイントを解説します。
自己分析と強みの明確化
社労士はあなただけではありません。
同じ年に2000人くらい社労士試験に合格者がいると思います。
また、すでに同じ商圏に社労士事務所はあります。
なので何も考えずに開業すると、お客が一人も来ない状況になりがちです。
戦略的に開業計画を立てる必要があります。
これまでの経験の棚卸し
社労士資格取得前にどのような業務経験を積んできたのかを振り返り、自身の強みや得意分野を明確にしましょう。
例えば、人事・労務経験が豊富であれば、その経験を活かしたコンサルティングに強みを持てます。
特定の業界での経験があれば、その業界に特化したサービスを提供することも可能です。
自己分析をして、どこで、「誰にも負けないサービスを作るか?」が重要になります。
得意分野と専門性の確立
社労士業務は多岐にわたるため、すべての業務を網羅するのではなく、得意分野や専門性を確立することが重要です。
例えば、就業規則の作成、労務監査、助成金申請、年金相談など、特定の分野に特化することで、競合との差別化を図れます。
市場調査とターゲット層の選定
お客がいないエリアで開業しても苦労します。
自分の強みを設定した後は、どの地域の、どの客層をターゲットに選定するか?が大事です。
地域のニーズの把握
開業予定地域の企業特性や労働市場の動向を調査し、自分が選んだ社労士サービスが求められているのかを把握しましょう。
地域の産業構造や企業規模などを考慮し、ターゲットとする顧客層が存在するか?を明確にします。
競合との差別化
開業予定地で競合となる他の社労士事務所のサービス内容や料金体系などを調査し、自事務所の強みや差別化ポイントを明確にします。
値段勝負にならないように別の視点でサービスを差別化する必要があります。
経営戦略に基づいた事業計画の策定
商品・サービス、営業地域、客層が決まれば、どうやってお客を獲得するか?を経営戦略に基づいて計画を作成します。
具体的な目標設定
目標は、売上や受注数ではなく、まずは、
何で負けないようにするか?
を定めます。
お客は必ず、比較検討段階を踏むので、そこで負けないようにすることが大事です。
そうすると市場にいるお客の数だけ売上が出ますので、売上目標を決めなくても数字は後からついてきます。
目標達成までの具体的なスケジュールや行動計画を立てることが重要です。
受注数は「行動数」の結果なので、行動計画が大事です。
営業、マーケティング戦略
ターゲットとする顧客層に効果的にアプローチするためのマーケティング戦略を策定します。
ホームページやSNSを活用した情報発信、セミナーや交流会への参加、他の専門家との連携など様々な営業手段があります。
自分が決めた客層に一番効率よく接触できる方法を見極めるのが大事です。
顧客獲得と信頼関係の構築
一度獲得したお客から再度お仕事をもらい続けるのが経営安定の要点です。
新規客ばかりを狙うビジネスは、何かあったときに脆いです。
また、お客は常に他社労士からの営業にさらされます。
それらから守り切るのが大事です。
顧問契約の獲得
社労士での開業で安定した収入を得るためには、顧問契約の獲得が必須です。
顧問先に対しては、定期的な訪問や情報提供など、積極的なコミュニケーションを図ることが重要です。
助成金など単発のお仕事から顧問契約に至ることは、ほぼありません。
経営や経営戦略、集客知識を豊富にもち、社長の相談相手になって初めて単価の高い顧問契約が結べます。
自分のためにも、顧問契約を維持するためにも経営戦略を学んでください。
30代・40代での開業のデメリット
30代・40代と言う年齢で社労士で開業するにはデメリットがあります。
やはり失敗した場合のダメージが大きいです。
50代、60代と違ってやり直しは比較的できますので、30代、40代なら挑戦しても良いと思います。
ただ、事前に
自分は集客が出来るのかどうか?
は、確認した方が良いです。
30代、40代という年齢での社労士の開業が一番成功しやすいですが、事前の用意は周到に
30代や40代という年齢で社労として開業するのは、一番成功しやすいです。
また、比較的ダメージも回復可能な年代でもあります。
ただ、集客手段がゼロなのに開業は止めておきましょう。
集客したことが無い方は、まずはどうやったらお客がくるのか?の原理原則を学び、経営戦略に沿って成功する事業計画を立てて下さい。