モートン病かどうかの診断方法

モートン病、モートン神経腫

モートン病は、足の指の付け根(特に第3・第4趾間)に発症しやすい神経障害で、強い痛みやしびれなどを伴うことが特徴です。

モートン病かどうかの診断方法は多角的で、問診や視診・触診から始まり、徒手的テスト、画像検査にまで及びます。

問診・視診・触診

診断はまず、問診で症状発生の部位、痛みの性状、発症時期、日常生活や靴の履き方、既往歴などを詳しく確認することから始まります。

視診・触診では、足指の付け根の腫れ・指間の皮膚の変化、押したときの圧痛の有無などを調べます。

徒手的テスト

モートン病の診断で非常に重要なのが、医師による各種の徒手テストです。

つま先立ちテスト

痛みが再現されるか確認します。

モートン病では、つま先立ちをしたときや長時間立っていると痛みやしびれが増す傾向があります。

モルダーテスト

足の前方(中足部)を両側から強く握る、もしくは指間を挟んで圧迫することで、痛みや「クリック感」(神経の腫れや肥厚がはじけるような感覚)が誘発されれば陽性です。

これがモートン病診断の代表的な所見となります。

ティネルサイン

該当の神経障害部を指などで叩き、その支配領域に疼痛やしびれが放散すれば陽性です。

感覚障害の評価

しびれや感覚鈍麻の範囲を調べることで、障害されている神経が特定されます。

画像および補助検査

見た目や手技だけで完全に診断できない場合や他疾患との鑑別が難しい場合は、以下の画像検査が行われます。

レントゲン検査

骨折や他の骨疾患(関節リウマチ、疲労骨折など)が無いか確認しますが、モートン病そのものは写りづらいです。

超音波検査(エコー)

高解像度で神経の腫れや偽神経腫の存在をリアルタイムで確認でき、非侵襲的かつ即時的に情報を得られる方法です。

MRI検査

神経腫や周囲の滑液包炎の有無など、より詳細に軟部組織の状態を把握したい場合に有効です。

場合によっては造影剤を用いることもあります。

鑑別診断と注意点

モートン病と似た症状を呈する疾患(関節リウマチ、フライバーグ病、疲労骨折、ガングリオンなど)との鑑別も重要です。

特に持続的な疼痛や骨の異常が疑われる場合には、上記画像検査や採血検査など補助的な診断手段が必要です。

セルフチェックの活用

自宅でできるセルフチェックとして、「足指の付け根を押して痛い」「靴を脱ぐと症状が軽減する」「歩行や仕事で悪化する」などの傾向に気づいた場合は、医療機関の受診を推奨します。

モートン病の診断は複数の手法を組み合わせて総合的に判定されます

モートン病の診断は、問診・視診・触診、徒手的テスト(つま先立ち、モルダーテスト、ティネルサイン)、画像検査(超音波、MRI、レントゲン)など複数の手法を組み合わせて総合的に判定されます。

自己判断は難しく、症状が疑われる場合は整形外科専門医の診断・検査を受けることが推奨されます。

モートン病と判断されたら、治療法は確立しているので、自分で治せます。

モートン病の治し方は、こちら