強剛母趾とは、足の親指(母趾)の付け根(第一中足趾節関節, MTP関節)に生じる関節症です。
主に関節の軟骨がすり減ることで痛みや可動域の制限が起こる病気です。
特に歩行時やつま先を反らせる動作で痛みが生じるのが特徴です。
症状
以下のような症状が見られます。
- 母趾の付け根の痛み – 歩行時や階段の上り下り、つま先立ちのときに痛みが強くなる。
- 関節の可動域制限 – 母趾を上に反らせる動作(背屈)が制限される。
- 腫れやこわばり – 関節部分が腫れたり、朝起きたときにこわばりを感じることがある。
- 骨の変形や骨棘の形成 – 関節部分に骨棘ができ、変形が進む。
- 歩行の異常 – 親指が動かしにくくなり、足裏や膝、腰に負担がかかる。
原因
強剛母趾になる理由は、
- 加齢による関節の変性
- 過度な負荷やスポーツ歴
- 足の形や歩き方の問題
- 外傷や過去のケガ
- 遺伝的要因
と考えられてきました。
ですが、現在では、
足の過剰回内が引き起こす、足の内側だけを使った歩き方
と判明しています。
進行度分類
強剛母趾の進行度分類です。
ステージ | 症状の特徴 |
---|---|
軽度(I度) | 軽い痛み、母趾の可動域は正常または軽度の制限 |
中等度(II度) | 明らかな痛み、可動域の制限が進行 |
重度(III度) | 関節が大きく変形し、可動域が大幅に制限される |
末期(IV度) | ほとんど動かせず、強い痛みが常時ある |
治療法
整形外科での治療法は、おもに、保存療法と手術になります。
保存療法(手術をしない治療)
- 靴の工夫 – つま先が広く、硬いソールの靴を選ぶ。
- テーピングやサポーター – 関節を安定させる。
- 薬物療法 – ロキソニンなどの鎮痛剤、ヒアルロン酸注射。
- リハビリ・ストレッチ – 足裏の筋肉を鍛える。
手術療法
- 関節形成術 – 骨棘を削る。
- 骨切り術 – 骨の位置を修正。
- 関節固定術 – 関節を固定。
- 人工関節置換術 – 人工関節に置き換える。
どちらも根本的な改善にはつながらないので、再発の可能性は残ります。
2025年現在では、強剛母趾を自分で治す方法は確立しています。
強剛母趾を自分で治すには歩き方の改善
強剛母趾は、親指の付け根の関節が変形し、痛みや可動域の制限を伴う疾患です。
いろいろな誤った原因による治療がありますが、改善につながるのは、歩き方の改善です。