足の親指の付け根に痛みを感じる場合、強剛母趾と痛風のどちらかが原因である可能性があります。
しかし、強剛母趾と痛風は異なる病態であり、適切な診断と治療が必要です。
強剛母趾とは?
症状
- 関節の痛み:特に歩行時や立ち上がる際に痛みが増す
- 腫れ:親指の関節が腫れ、炎症が見られることがある
- 硬直:関節の動きが制限され、親指の可動域が狭くなる
- 可動域の減少:症状が進行すると、親指を上下に動かすことが難しくなる
- 変形:関節が変形し、親指の外観が変わることがある
原因
関節の過度な使用や遺伝的要因、過去の外傷などが関係しており、スポーツや長時間の歩行などがリスクを高めます。
靴(特にハイヒール)が原因と言われることが多いですが、スニーカーにしても症状は軽減しませんので、靴の問題ではありません。
痛風とは?
症状
- 突然の激しい痛み:特に夜間や早朝に発症しやすい
- 腫れと赤み:関節が赤く腫れ、熱を持つことがある
- 発作的な痛み:数日~1週間ほどで自然に軽快するが、繰り返し発症する
- 痛風結節:慢性化すると関節周辺に尿酸の結晶が沈着し、こぶのように盛り上がる
原因
血液中の尿酸値が高くなることが原因で、食生活や運動不足、ストレスなどが尿酸値を上昇させる要因となります。
強剛母趾と痛風の違いの見分け方
項目 | 強剛母趾 | 痛風 |
---|---|---|
痛みの発生 | 徐々に進行し、慢性的な痛み | 突然発症し、激しい痛み |
痛みの性質 | 動かすと痛みが増す | 触れるだけで激痛 |
腫れの特徴 | 軽度の腫れ | 赤く腫れ、熱を持つ |
可動域 | 関節が硬くなり、動かしにくい | 痛みが治まれば可動域は正常 |
原因 | 関節の変形や摩耗 | 尿酸の結晶化による炎症 |
強剛母趾や痛風は何科の病院に行くのか?
- 強剛母趾 → 整形外科
- レントゲンやMRIで関節の状態を確認
- 保存療法(インソール、薬物療法)や手術療法を検討
- 足の専門クリニック(フットクリニック)でも診察可能
- 痛風 → 内科・リウマチ科
- 血液検査で尿酸値を測定
- 薬物療法(尿酸降下薬)や生活習慣の改善を指導
- 頻繁な痛風発作の場合、専門医の診察を推奨
強剛母趾と痛風の違い
強剛母趾と痛風は、どちらも足の親指の付け根に痛みを生じますが、原因や症状の特徴が異なります。
強剛母趾は関節の変形による慢性的な痛み、痛風は尿酸の結晶化による急性の炎症が特徴です。
適切な診療科を受診し、早期の治療を行うことで症状の悪化を防ぐことができます。